世界一高い建物
世界一高いブルジュ・ハリファは、人類の創意工夫と建築の進歩を体現する存在だ。ドバイのスカイラインを象徴するこの超高層は、現代建築の到達点でもある。高さ828m、163フロアという記録的スケールは、垂直建築の極みであり、最新エンジニアリングの複雑さと驚異を教えてくれる。
世界の超高層ビルランキング
現代工学の粋を示す世界の超高層ビル上位12棟をチェック。都市のスカイラインを形作るだけでなく、技術の進歩を象徴する存在だ。下の表では、ブルジュ・ハリファから台北101まで、人間の挑戦の軌跡を俯瞰できる。なお建物の高さは建築上の最上点(尖塔などの建築スパイアを含む)までで比較するのが一般的だ(技術アンテナは通常含まれない)。
| 順位 | 建物 | 高さ | 階数 | 完成年 | 国 | 都市 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | Burj Khalifa | 828 | 163 | 2010 | アラブ首長国連邦 | ドバイ |
| 2 | Merdeka 118 | 679 | 118 | 2023 | マレーシア | クアラルンプール |
| 3 | Shanghai Tower | 632 | 128 | 2015 | 中国 | 上海 |
| 4 | Abraj Al-Bait Clock Tower | 601 | 120 | 2012 | サウジアラビア | メッカ |
| 5 | Ping An Finance Centre | 599 | 115 | 2017 | 中国 | 深セン |
| 6 | Lotte World Tower | 555 | 123 | 2016 | 韓国 | ソウル |
| 7 | One World Trade Center | 541 | 104 | 2014 | アメリカ | ニューヨーク |
| 8 | Guangzhou CTF Finance Centre | 530 | 111 | 2016 | 中国 | 広州 |
| 9 | Tianjin CTF Finance Centre | 530 | 98 | 2019 | 中国 | 天津 |
| 10 | CITIC Tower | 528 | 108 | 2018 | 中国 | 北京 |
| 11 | Taipei 101 | 508 | 101 | 2004 | 台湾 | 台北 |
| 12 | Shanghai World Financial Center | 492 | 101 | 2008 | 中国 | 上海 |
世界の超高層ビルの豆知識
- 掲載12棟のうち6棟が中国に所在。超高層分野における同国の大きな存在感を示している。
- Merdeka 118は階高比が最大で、1フロアあたり約5.75mに達する。効率的な垂直空間の使い方の好例。
- リストの建物はすべて21世紀に完成。最も「古い」のは2004年完成の台北101で、超高層建築の現代的な時代を物語る。
- 中国以外にもUAE、マレーシア、サウジアラビア、韓国、アメリカ、台湾など各国の塔が並び、世界的なトレンドを示す。
- これらのビルは単なるオフィスではない。ホテル、住宅、商業施設、展望台などを併せ持つ、多機能な「垂直都市」だ。
ブルジュ・ハリファと世界の有名ランドマーク
各種ランドマークとの比較で、ブルジュ・ハリファの圧倒的スケールが直感的にわかる。ギザの大ピラミッドのような古代建築から現代の超高層まで、設計と施工の進化を一望し、歴史的文脈におけるブルジュ・ハリファの意義を浮かび上がらせる。
| 建物/名所 | 高さ(m) | 高さ比 | 建設年 | 都市/国 |
|---|---|---|---|---|
| Burj Khalifa | 828 | x1 | 2010 | ドバイ, UAE |
| エンパイア・ステート・ビル | 443 | x1.9 | 1931 | ニューヨーク, アメリカ |
| エッフェル塔 | 300 | x2.8 | 1889 | パリ, フランス |
| サグラダ・ファミリア | 170 | x4.9 | 建設中(1882年着工) | バルセロナ, スペイン |
| ギザの大ピラミッド | 146 | x5.7 | 紀元前約2560年 | ギザ, エジプト |
| サン・ピエトロ大聖堂 | 137 | x6.0 | 1626 | バチカン市国 |
| サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂 | 116 | x7.1 | 1436 | フィレンツェ, イタリア |
| セント・ポール大聖堂 | 111 | x7.5 | 1708 | ロンドン, イギリス |
| 聖ヴィート大聖堂 | 97 | x8.5 | 1929 | プラハ, チェコ |
| タージ・マハル | 73 | x11.3 | 1653 | アーグラ, インド |
| シドニー・オペラハウス | 65 | x12.7 | 1973 | シドニー, オーストラリア |
| ピサの斜塔 | 57 | x14.5 | 1372 | ピサ, イタリア |
| コロッセオ | 48 | x17.3 | 西暦80年 | ローマ, イタリア |
| ブルーモスク(スルタンアフメト・モスク) | 43 | x19.3 | 1616 | イスタンブール, トルコ |
「最大」と「最高」の違い
建築の世界では「最大」と「最高」を区別して考えることが大切だ。「最高」は基部から建築上の頂点までの高さを指し、828mのブルジュ・ハリファはその象徴。一方、「最大」は延床面積や体積のこと。ワシントン州のボーイング・エバレット工場は約1,330万m³で体積世界最大級、成都のニュー・センチュリー・グローバル・センターは延床約170万m²で世界有数の規模だ。基準の違いを知れば、各建築がどの「次元」で突出しているかが見えてくる。